精油学総論◆3.精油の製造法〜種類と得られるものを理解しよう〜

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精油の製造法

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到達目標

精油製造法の種類、工程、その過程で得られるものを学習し、精油製造法により製造される精油成分に違いがあることを理解し精油を適切に扱える。

精油製造法の種類

水蒸気蒸留法

精油を製造するためにもっとも多く用いられる方法。原料の植物を蒸留釜に入れ、直接蒸気を吹き込むか水とともに沸騰させ、植物の芳香物質を気化させる。このとき発生する芳香水蒸気を冷却して生じる液体を集めると、多くは比重の違いから精油と芳香蒸留水の二層に分離し精油が得られる。蒸気を使用するため、熱によっては変性しやすい芳香成分や水溶性の芳香成分は抽出できず、一部の植物はこの製造法に適さない。また、精油は分別蒸留により、低沸点物質から高沸点物質まで順に分別することができる。

上層:精油
下層:芳香蒸留水(ハイドロゾル、ハイドロラット)

メリット→一般的。安い。

デメリット→水と熱にさらされるので、香りや成分が失われることもある。

圧搾法

主に柑橘類の果皮から精油を製造する時に用いる方法。ローラーなどの機械で原料を圧搾し、遠心分離器で分離して、常温で精油を得る。このように熱を加えずに果皮を圧搾して精油を得る方法をコールドプレスといい、加熱処理を行わないためより自然な香りを取り出すことができる。ただ、テルペン類の一部などの変質しやすい成分や、原料植物の絞りかすのような不純物も含まれてしまうため成分変化が早く起こる。

メリット→本来の芳香を保つ。安い。

デメリット→成分変化が早い。

油脂吸着法

油脂が芳香成分を吸着しやすい性質を利用し、精製して無臭にした牛脂(ヘット)や豚脂(ラード)の混合物、またはオリーブ油などを用いて植物中の芳香物質を得る方法。ポマードをエタノール処理して油脂を取り除いて芳香物質を得る。

冷浸法(アンフルラージュ)…常温の脂を使用

温浸法(マセレーション)…60〜70℃に温めた脂を使用

芳香成分で飽和状態になった油脂…ポマード

最終的に得られるもの…アブソリュート

メリット→ジャスミンやローズなど、繊細な花の香りを得ることができる。

デメリット→手間とコストがかかるので、現在はほとんど行われていない。

揮発性有機溶剤抽出法

油脂吸着法に替わって用いられるようになった精油製造法。溶剤釜に原料植物を投入し、石油エーテル、n-ヘキサンなどの揮発性有機溶剤に常温下で植物中の芳香物質を溶かしだす方法。現在のアブソリュートはほとんどこの抽出法である。

溶剤を揮発させて残った中間産物…コンクリート

最終的に得られたもの…アブソリュート

花以外の樹脂などから抽出されて最終的に得られたもの…レジノイド

メリット→微妙な花の香りを得られる

デメリット→溶剤の残留がある

超臨界流体抽出法

二酸化炭素など高圧下で液体化する気体を溶剤に用いる、比較的新しい精油製造法。流体化した溶剤は液体と気体の間の超臨界状態(流体状態)において、気体と液体の両方の性質を持つようになるため花などによく浸透、拡散し、芳香物質を取り込みやすい。流体状態の二酸化炭素を取り込まれた植物の芳香物質は、流体にかけていた圧力を通常に戻すと二酸化炭素が気化するため最後には単独で残り、エキストラクトが得られる。 

メリット→芳香植物そのものの香りを得ることができる。

デメリット→非常に高価で一般的でない。



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